2019-12-10から1日間の記事一覧

43-03 白酒とビール

43-03 白酒とビール 2006/1/31(火) 敦煌で白酒に遭遇した。そのような酒があるとはまったく知らなかった。未知との遭遇である。白酒は「パイチュウ」と読むらしい。無色透明だが、味はまろやか、ふくよかな香りがある。 調べてみたら次のような記述があった…

43-04 焼酎没収

43-04 焼酎没収 2006/1/31(火) 一日目は西安で国内航空への乗り換えた。ここで、手荷物検査で紙袋に入れていた焼酎がひっかかった。言葉はよくわからないが持込禁止だということのようである。焼酎は成田空港で旅の間の寝酒用に購入したものである。 中国国…

43-05 夏の甘酒

43-05 夏の甘酒 2006/1/31(火) トルファンでだったか、中華料理のメニューで甘酒が出てきた。見た目は中華風のスープであった。飲んでみて驚いた。甘酒であった。さっぱりとした甘さで冷たくて仲間の評判もよかった。発酵で自然にできた甘さなのだろう。 今…

43-06 5000km

43-06 5000km 2006/1/31(火) 今回の旅の飛行や移動の距離をもう少し正確に求める方法を探してみた。これまでの文中で用いた距離は、飛行時間を基にした概算に過ぎない。インターネットを探してみるとあった。 http://vldb.gsi.go.jp/sokuchi/surveycalc/bl2s…

43-07 今回の敦煌への旅

43-07 今回の敦煌への旅 2006/1/31(火) 午前 8:03 --49 旅その他 歴史 facebookでシェア twitterでつぶやく 今回の旅は、日経カルチャーの企画で、「久野美樹先生同行 敦煌莫高窟特別見学の旅8日間」という、総勢21人の団体旅行であった。7月のはじめに…

43-08 カメラと景色のスケール

43-08 カメラと景色のスケール 2006/1/31(火) 今回の旅でもカメラを持っていった。現在愛用しているカメラは、キャノンのデジタルカメラPowerShotG5である。購入したばかりであるが、一世代前の機種である。一眼レフの出る前の多機能のカメラである。G6を…

43-09 大谷光瑞

43-09 大谷光瑞 2006/2/1(水) 我家の仏間に書が架かっている。「福寿」と書いて、光瑞の署名がある。長い間、この書を気に留めることはなかった。家内は書道をかなりやっていたせいか、この書に気づいていたという。「光瑞」とは大谷光瑞のことだという。 大…

43-10 衛星写真

43-10 衛星写真 2006/2/1(水) 「古くからアジアと地中海沿岸地域を結んでいた東西交易の道、シルクロード。総延長1万数千kmに及ぶ長大なこの道は、古来、様々な民族と多様な物資が盛んに行き交う、いわば文明の交差路であり、あまたの国々の興亡の舞台ともな…

43-11 地図

43-11 地図 2006/2/1(水) 午前 3:08 --49 旅その他 歴史 facebookでシェア twitterでつぶやく 中国は広大である。シルクロードについて語ろうとするときこの広大さにとまどいを感ずる。地図の概略の理解が必要である。少し、ご協力を願うこととする。 A4の…

43-12 触地印(そくじいん)

43-12 触地印(そくじいん) 2006/2/27(月) 触地印の意味と読み方が即座にわかる人はそんなに多くないと思う。「しょくちいん」と読みたいところである。正しくは「そくじいん」と読む。岩波の仏教辞典で調べたから間違いない。仏像の印相(いんぞう 手と指…

43-13 バーミアンの緑

43-13 バーミアンの緑 2006/3/11(土) 手元に一冊の本がある。安田暎胤師の『玄奘三蔵のシルクロード ガンダーラ編』(東方出版)である。安田暎胤師は、今、奈良薬師寺の管主をされている。地元の岐阜市出身という縁もあって、何度かお話を聞かせていただく…

43-14 春霞と朧月

43-14 春霞と朧月 2006/3/26(日) 菜の花畠に入日薄れ 見渡す山の端霞深し 春風そよ吹く空を見れば 夕月かかりて匂い淡し 里わの灯影も森の色も 田中の小道を辿る人も 蛙の鳴く音も鐘の音も さながら霞める朧月夜 文部省唱歌『朧月夜』(高野辰之作詞)の歌詞…

43-15 ラピスラズリ

43-15 ラピスラズり 2006/5/6(土) 敦煌の旅からもう半年以上も経った。しかし、思わぬことから敦煌の旅を思い出すことになった。この連休に入って、東尋坊(とうじんぼう)に行ってきた。東尋坊は福井県の三国町にある名所。溶岩が柱状に固まった岩が海の中…

懺悔と回向 (ざんげ と えこう)

懺悔と回向 2007/6/5(火) 「懺悔」がよくわからない。法華三部経の結経とされている『仏説観普賢菩薩行法経』はそれほど長い経典ではないのに、懺悔という言葉がはなんと五十九回も出てくる。懺悔が重要な意義を持っていることがわかる。 インターネットはあ…

17-01 疑経と弥勒信仰

17-01 疑経と弥勒信仰 2007/4/13(金) 中国には疑経と呼ばれるお経がある。インド(もしくは中央アジア)で作られ中国語に訳されたのではなく、はじめから中国語で書かれた仏教経典をそう呼ぶ。「疑経」という言い方自体、否定的表現である。しかし、中国にお…

17-02 弥勒信仰の伝来と『下生経』

17-02 弥勒信仰の伝来と『下生経』 2007/4/25(水) 中国に弥勒信仰が伝わったのはいつか。『弥勒への約束』(以下『約束』という)というお経があることは別のところで述べている。もとはインドの文語であるサンスクリットで書かれたものである。その翻訳は四…

17-03 『上生経』とは

17-03 『上生経』とは 2007/4/25(水) 弥勒について語る中国語訳の経典には、もうひとつ別の『観弥勒菩薩上生兜率天経』というものがある。略して『上生経』と呼ぶ。五世紀の中ごろ沮渠京声(そきょきょうしょう)が訳したと伝えられる。サンスクリット本は伝…

17-04 『上生経』の意味するもの

17-04 『上生経』の意味するもの 2007/4/25(水) 『上生経』においては、兜率天のありさまがくわしく語られる。兜率天にある宮殿のようすが語られ、そこにいる弥勒の姿かたちもくわしく語られる。そして、そのさまを心に思い描くことがしきりにすすめられてい…

17-05 弥勒信仰の変質と疑経

17-05 弥勒信仰の変質と疑経 2007/4/25(水) 弥勤信仰を変質させた疑経のひとつに『法滅尽経』がある。釈迦の教えが滅びようとするときのありさまを語った経典である。その描写がたいへんリアルなため、いくつかの仏教文献に引用された。そのため、古くから疑…

17-06 『法滅尽経』と末法思想

17-06 『法滅尽経』と末法思想 2007/4/26(木) 『法滅尽経』のテーマは、僧侶の堕落と教団の危機がテーマとなっている。五胡十六国のうち最後に北魏に滅ぼされた北涼でも仏教が盛んであった。国王の沮渠蒙遜(そきょもうそん、在位401年-433年)は中央アジア…

17-07 月光童子の登場

17-07 月光童子の登場 2007/4/26(木) 未来のあるとき、人間世界が危機におちいり、自然災害までそれに連動する。そういう思想が中国にはある。讖緯(しんい)の文献に語られ、道教経典でもくりかえし説かれていた。讖緯とは、儒教の経典にかこつけて神秘的な…

17-08 弥勒から阿弥陀へ

17-08 弥勒から阿弥陀へ 2007/4/26(木) 六世紀に弥勒の救済を説く偽経がいくつか現れた。だからといってそれまでの正統的な(中国語訳の経典にもとづく)弥勒信仰が一掃されてしまったわけではない。しかし、正統的な弥勒信仰に、確実に変質をもたらしたこと…

17-09 南獄慧思の末法思想

17-09 南獄慧思の末法思想 2007/4/26(木) 天台大師智顗(ちぎ)の師であった南岳慧思(なんがくえし)は、五五八年に『立誓願文』(りゅうせいがんもん)を書いた。また、慧思は「般若経」を金字で書写し、七宝の箱におさめた。弥勒が現れたとき、この経典を…

52-01 韓国慶州石窟庵の大仏

52-01 韓国慶州石窟庵の大仏 2006/2/25(土) 韓国の慶州(キョンジュ)は新羅時代の都だったところで、日本でいうならば京都にあたるような古都である。そこに仏国寺という名刹がある。中心の建物は一段と小高くなったところにあり、境内へは階段になった石橋…

52-02 韓国を訪れて

52-02 韓国を訪れて 2006/3/19(日) 15日から18日にかけて韓国へ行ってきた。目的地は安東市。安東市は3度目の訪問となる。安東市は、韓国中東部、慶尚北道(キョンサンブクド)の北部の中心に位置する。名古屋国際空港からソウルまでは飛行機で1時間40分ほど…

52-03 韓国ソウルの国立中央博物館

52-03 韓国ソウルの国立中央博物館 2006/3/19(日) 安東の訪問という旅の目的を終えて、16日の夜にソウルへ戻った。同行し友人には、ホテルまで送ってもらい、一人旅にもどった。17日は終日ソウルの市内観光にあてた。午前中は昨秋新装成った国立中央博物館、…

52-04 言葉の意外な壁 2006/3/19(日) 午後 0:18 --45 韓国の旅 歴史 facebookでシェア twitterでつぶやく 今回の安東市の訪問は通訳のできる仲間と一緒の旅であった。安東にも日本語が達者な人がたくさんいる。それでも、言葉の壁は思わぬところにある。 そ…

52-05 景福宮(けいふくきゅう)

52-05 景福宮(けいふくきゅう) 2006/3/19(日) 午前中を中央博物館で過ごした。それでも、ゆっくりと観られたのは仏像のコーナーだけである。慶州の古墳からの出土物や高麗青磁、白磁のところも興味はあるが、集中力が続かない。昼食を済ませてから、景福宮…

51-01 ミャンマー(ビルマ)

51-01 ミャンマー(ビルマ) 2006/2/25(土) 何年か前、2月の末にミャンマー(ビルマ)に行った。ミャンマーは上座部の仏教国である。上座部の仏教を、日本では小乗仏教(あるいは原始仏教)というが、ミャンマーの人は「小乗」という表現を嫌う。 上座部の…

31-23 ミャンマーの仏教

31-23 ミャンマーの仏教 2006/9/28(木) ミャンマー(ビルマ)は上座部仏教(小乗仏教)の国である。インドシナ半島のミャンマー、タイ、カンボジア、ラオス、そしてインド半島南端に位置する島国のスリランカは上座部仏教の国である。上座部仏教はアショカ王…