43-11 地図

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2006/2/1(水) 午前 3:08 --49 旅その他 歴史

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 中国は広大である。シルクロードについて語ろうとするときこの広大さにとまどいを感ずる。地図の概略の理解が必要である。少し、ご協力を願うこととする。

 A4の白紙を横にして机の上においてください。白紙の右下に横長に楕円を書く。左上にもう一つ書く。大きさは実際の卵より少し大きめか。右下の楕円と左上に楕円を二本の線で結ぶ。白紙には、O=Oを斜めにしたような図ができる。この右下の楕円が中原、左上の楕円がタリム盆地、二つの楕円を結ぶ二本の線が河西回廊。北は上です。

 中原は黄河下流域の平原地帯。現在の河南省山東省・山西省の大部分と、河北省・陝西省(せんせしょう)の一部となる。山東省は海に接している。シルクロードの起点の西安長安)は陝西省に属し、右下の楕円の左(西)の端あたり。

 二本の線の右(東)の端の辺りを黄河が北流する。河西回廊は黄河の西の回廊上の地域の意味である。祁連(きれん)山脈と広大なゴビタン(砂礫の砂漠)に挟まれた細長い回廊状の道。その長さは1,000㎞を超える。祁連山脈の雪解け水でできたオアシス都市を結ぶ道ができている。敦煌は河西回廊の最も西の端のオアシス都市である。回廊の大部分が甘粛省(かんしゅくしょう)である。

 左上の楕円はタリム盆地。新疆ウィグル自治区の南半分となる。盆地の中央がタクラマカン砂漠タリム盆地の西はパミール高原中央アジアとの境となっている。北は天山山脈、南は崑崙山脈がそれぞれ東西に走っている。盆地の周辺には山脈の雪解け水を水源とするオアシス都市が点在する。シルクロードはこのオアシス都市を結ぶ道である。

 シルクロード西安を起点として河西回廊を通り敦煌に至る。敦煌を過ぎるとタクラマカン砂漠に入る。その最初のオアシス国家が楼蘭である。楼蘭は左上の楕円の右端の位置にある。シルクロード楼蘭で南と北に向かうコースに分かれる。唐の時代になると楼蘭はさびれ、敦煌の東の安西から北に回るコースがメインルートとなる。今日の蘭新鉄道もこのコースをとる。

 南に向かうコースはタクラマカン砂漠の南(崑崙山脈の北)を通る西域南道である。北に向かうコースは天山山脈の東端のトルファンに至ってさらに二手に分かれる。トルファンから天山山脈の南(タクラマカン砂漠の北)を通るコースが天山南路(西域北道)、トルファンからウルムチを通って天山山脈の北側の草原を通るのが天山北路である。ウルムチは新疆ウィグル自治区の首都。

 今回の旅は、西安からウルムチウルムチから敦煌敦煌から西安は飛行機を利用した。上海からウルムチへの直通の特別快速列車があるという。時刻表によれば、上海を20時40分に発車して、車中三泊、四日めの12時54分に終着ウルムチ駅に到着。全行程は4,077kmである。