100中国-60天台教学

懺悔と回向 (ざんげ と えこう)

懺悔と回向 2007/6/5(火) 「懺悔」がよくわからない。法華三部経の結経とされている『仏説観普賢菩薩行法経』はそれほど長い経典ではないのに、懺悔という言葉がはなんと五十九回も出てくる。懺悔が重要な意義を持っていることがわかる。 インターネットはあ…

16-01 慧文と湛然

16-01 慧文と湛然 2006/10/24(火) ■ 慧文 中国の南北朝時代、北斉の僧。慧聞ともいう。生没年、生地ともに不明。南岳大師慧思の師匠。龍樹の『中論』によって、一心三観の理を悟った。一心三観とは、 空観 執われの心を破し 仮観 すべての現象が仮りのものな…

16-02 「四種三昧」確立の意味

16-02 「四種三昧」確立の意味 『摩訶止観』第一章・第二項「修大行」で説かれた四種三昧(ししゅざんまい)には、般若空観あり、法華一乗観あり、実相観あり、坐禅あり、念仏あり、陀羅尼ありで、後世、各方面に広く用いられるようにいたった。・・・ 第一…

16-03 慧思の 「法華三昧」とは

16-03:慧思の 「法華三昧」とは 2006/10/30(月) 智顗が慧思に出会い、「法華三昧」の修行によって悟りを得たといわれる。しかし、この「法華三昧」とは一体なにか。下記の文章は比較的わかり易い説明である。以下引用である。 --------------…

16-04 一心三観 ~慧思から智顗へ~

16-04 一心三観 ~慧思から智顗へ~ 2006/10/30(月) 湖南省衡山県の北方にそびえる衡山山脈、その主峰の衡山は別名を寿岳とも南岳ともいい、周囲400キロ、山麓をまとわりつくように流れる湘江とあいまって、雄大な眺望を織り成している。 慧思(えじ)は…

16-05 僧肇の空思想と慧思

16-05 僧肇の空思想と慧思 2006/10/30(月) ■ はじめに 天台大師智顗は青年時代に大蘇山の慧思禅師のもとで法華三昧を行じ、そこでの証悟が出発点となって後に天台教学を大成することとなった。ゆえに慧思が智顗に伝えた法華三昧こそが、後の天台教学の淵源と…

16-06 中国天台の成立

16-06 中国天台の成立 2006/11/8(水) ■ 中国天台 中国の隋の時代、天台宗の実質的な開祖である天台宗三祖の天台大師智顗(ちぎ)(538~597年)が中国仏教を再編成して、随の第二代皇帝の煬帝(在位 608~618)の帰依を受けた。その根本とした経典は『法華経…

16-07 北周武帝の廃仏と末法思想

16-07 北周武帝の廃仏と末法思想 2006/11/23(木) 鳩摩羅什によってもたらされた「空」の思想は、ある危険性をはらんでいた。「空」の思想は、戒律と修行の否定、教団生活の否定の契機をもっていた。「空」のみが一人歩きし、戒律と禅観法が整っていなかった…

16-08 慧思 如来蔵思想と法華三昧

16-08 慧思 如来蔵思想と法華三昧 2006/11/26(日) 智顗の師事した南岳慧思(なんがくえし 515~577年)は『南岳思大禅師立誓願文』を著して「正法五百歳止住・像法一千歳止住・末法一万歳止住」の明文を遺した。いわゆる正・像・末の三時説を立て、末法思想…

16-09 「空」と中国仏教の危機

16-09 「空」と中国仏教の危機 2007/5/15(火) 中国仏教は、北周の武帝(在位560~578年)の時代に存亡の危機を迎える。この時代、二度目の法難といわれる廃仏が断行される。しかし、中国仏教がこのとき直面した危機の本質はより内的なものであった。鳩摩羅什…

16-10 慧思の定・慧重視

16-10 慧思の定・慧重視 2007/5/26(土) 午前 9:34 --16 天台の成立 歴史 facebookでシェア twitterでつぶやく 以下は禅宗の起源に関する文章の引用である。慧思が禅法を重視したはじめであること、その禅法は後の中国の禅宗に深くつながっていること、禅法が…

16-11 天台における「衆生」の発見

16-11 天台における「衆生」の発見 2007/5/27(日) 慧思と智顗の位置づけは見直すつもりです。 大乗仏教は「中国で」成立した。インドでは大乗仏教の経典は成立し、運動もあった。しかし、教団はなかった。中国での大乗仏教の成立は六世紀末の天台教学の成立…