42-01 桁違いの広さ

42-01 桁違いの広さ

2006/1/31(火)


 中国の面積は日本の約26倍。とにかく広い。新疆ウィグル自治区のみに限っても中国の約6分の1の広さで、なんと日本の4.4倍である。新疆ウィグル自治区は、中央を東西に走る天山山脈で南北に分けられる。天山山脈の北にジュンガル盆地、南はタリム盆地がある。

 タリム盆地は、東西1,400km、南北550km。面積56万平方キロの広大な面積を持つ。その中心部の大部分を世界で二番目に広いといわれるタクラマカン砂漠が占めている。タクラマカンは、東西1,000km、南北400km、面積33.76平方km。日本全土の面積から九州を除いた大きさに相当する。

 この広大な地域の旅の行程をどうしたらわかってもらえるのか。不可能に近い。上記の数字は、インターネットで調べたものだが、調べた本人が唖然としている。言葉で説明できないときは、図を使うのが一般的に用いられてる方法である。しかし、問題は、心のものさしの問題である。そのスケールを二桁くらいあげないとどうしようもない。

 今回の旅は、ウルムチから始まった。ウルムチは新疆ウィグル自治区の区都。天山山脈の北のジュンガル盆地の南辺に位置する。成田から西安までJAL、西安からウルムチまで国内航空。翌日バスでトルファンに向かった。高速道路を約三時間走る。トルファントルファン盆地の中央にある。火焔山、ベゼクリク千仏洞、高昌故城、交河故城、カレーズ、葡萄農家などを見学した。

 このトルファン盆地にだまされた。出発前に旅の日程表を見て、タクラマカン砂漠をかすめることができると喜んだ。しかし、これは誤解であった。トルファン盆地は、天山山脈の東側にすり鉢状に落ち込んだところである。南北60km、東西120kmの広大な盆地である。しかし、タリム盆地とは別の盆地であった。

 天山山脈の幅が想像を超えているのである。天山山脈の長さは東西2,500kmで、幅約250~300km。お気づきでしょうか。天山山脈は日本列島より大きいのである。トルファン盆地さえも抱え込むような幅の大きい山脈であった。

 トルファンへのバスの中で、ガイドさんが「南側に見える山並みも、天山山脈です」と説明していた。今、帰ってきてからその意味を理解できたところである。お釈迦様の手の上から出ることができなかった孫悟空の境地と同じである。