43-08 カメラと景色のスケール

43-08 カメラと景色のスケール

2006/1/31(火)


 今回の旅でもカメラを持っていった。現在愛用しているカメラは、キャノンのデジタルカメラPowerShotG5である。購入したばかりであるが、一世代前の機種である。一眼レフの出る前の多機能のカメラである。G6を最後に製造が打ち切られているはずである。欠点は大きさと重さである。

 G5はG1からの買い替えである。G1の欠点は起ち上りの遅さである。起ち上りの遅さのために決定的瞬間を逃がすことがある。2月にミャンマーへ行くことが決まって、G5を新たに購入することにした。ミャンマーへの旅はある式典への参加のためであった。写真を任されることになり、やむを得ず(?)新機種を購入することとした。

 今回の旅では、カメラの持込が禁止されているところが多かった。トルファンのベゼクリク千仏洞、敦煌莫高窟、西千仏洞と、三つの石窟を巡ったが、いずれの石窟も撮影は禁止である。カメラはバスの中に置いておくか、受付で預けなければならない。もっとも、同行の先生の解説をじっくり聞こうとすればカメラは邪魔だったかもしれない。

 帰ってからさまざまな疑問が出てくる。写真で再確認したいことが多い。石窟内の写真を録ることができなかったのは残念である。幸い、先生の了解を得られたので、石窟の中では、先生の説明をMDに録った。この整理がいまだにできていない。

 また、残念だったのは、鳴沙山であった。鳴沙山の観光は夕方になった。その日の昼に敦煌空港に着いたが、午後は、莫高窟、西千仏洞、敦煌城の見学となり、鳴沙山は後回しになった。「後回し」というのは正確ではない。暑さを避けるための配慮である。しかし、夕方の撮影は難しい。

 敦煌で青空が見られるのは、雨上がりの後だけである。通常は細かな砂が舞い上がり、日本で言う黄砂現象が発生している春の空のようにどんよりとしている。鳴沙山を訪れた日もそんなどんよりとした空であった。しかも起っていられないほどの強い風が繰り返し襲い、砂塵が舞う。

 暗くなる前に一枚でも多く、という気持ちでシャッターを押した。西域の風景はスケールが大きい。写真に納まらないのである。広角か望遠で迫るか、が必要なのだろうか。