22-01 広隆寺の弥勒菩薩像
広隆寺は京都太秦(うずまさ)にある。この広隆寺に半跏思惟の弥勒菩薩像がある。その優美な姿からわが国でもっとも人気のある仏像である。弥勒菩薩像は奥の霊宝殿に安置されている。制作当時は金箔に覆われていたと思われるが今はすっかり剥落している。学生時代に入院をすることになった。図書館で借りてもっていった写真集に弥勒菩薩の写真があった。横顔の写真の眼差しに惹かれ、何度も眺めていた。そのときに、頬の木目模様とひび割れの入り方が何か印象的だった。今から考えれば、見慣れた桧(ヒノキ)の木目模様やひび割れの具合との相違に気づいたと思わる。このことはすっかり忘れていた。 |