桜切るバカ、梅切らぬバカ

桜切るバカ、梅切らぬバカ

2007/4/12(木)


 桜の木の枝は切ってはいけないといわれている。切り口が腐りやすく、やがて木全体を弱らせてしまうことになるからというのがその理由である。それに比べて梅はヤニが多いため切り口が腐らず、また新しい枝が出てくる力も強いか、切ってもよい、というのである。

 我が家の玄関先に植えた薄墨桜は今や10mの高さになろうとしている。枝を放置できない状態になっている。剪定を試みることにした。今年は花の着きがわるく、寂しい咲き方であった。暖冬のせいで、昨年より二週間もはやい3月6日に開花をしたが、満開になっても寂しい咲き方であった。この一年は、薬剤散布はもちろん、肥料や腐葉土を施してきたのだが、樹勢が感じられない。

 そこで考えたのが、下の競合する菊や南天、柘植などをできるだけ整理すること、そして剪定である。実は数年前に、低く垂れ下がってきた、太い枝を切り落としたことがある。そのときは「やむを得ず」という気持ちであったが、切り口には墨汁を塗ることとした。墨汁の利用は私の思い付きであった。墨には制菌作用があり、混入されている膠や樹脂成分が皮膜を作ってくれる。最近は成分についても詳しく説明されており、腐敗防止のたえの殺菌材まで含まれていることがわかった。

 その切り口は、腐ることなく皮に覆われてしまったところもある。今回インターネットで調べてみたところ、切り口の防腐対策さえ施せば、剪定には何の問題もないことがわかった。ただ、切り方に「コツ」がいるようである。枝を根元ぎりぎりに切ることが重要だという。残すとそこが枯れ、腐敗し始めるのだという。これは前回の経験で納得できるところである。

 左右に広がる枝を何本か切った。枝といえども太くなっているので、のこぎりでは埒があかない。エンジンチェーンソーを使う。はしごをしっかりと固定し、腰を入れて扱わないと危険である。切った枝は暖炉を持っている知人に引き取ってもらうことができた。

 桜はすっきりとした姿になった。農薬の散布も先端まで十分に届くことだろう。来年が楽しみである。