ささやかな異文化体験 2

ささやかな異文化体験2

2007/5/12(土)


3.韓国のご飯の食べ方

 日本では食事のときは茶碗は左手でももつことになっている。韓国では食事のときに茶碗を手にもってはいけないと教えられた。どうも納得のいかないマナーである。これもいってみてわかった。いやわかったつもりになった。

 たとえば、「石焼きビビンバ」である。これは手でもつことはできない。重いうえに熱い。持ったら大やけどすることは間違いない。韓国の食事にはステンレス製の食器が使われることが多い。銀製の食器が貴族の間で使われたことの名残であろうか。箸もステンレス製で重い。中国の箸は、象牙の名残であろうか、合成樹脂で作られていて軽い。

 金属製の食器に熱いものが入れられると熱くてもてなくなる。茶碗をもたないというのは金属製関係があるのだろうか、そんな理解をしていた。それにしても、ご飯を食べるときはどうも不便だ。犬食いになってしまう。「石焼きビビンバ」ならばスプーンがついてくるが・・・、と思ってから周りを見てみると、ご飯はどうやらスプーンで食べるものらしい。箸は、皿に盛られているおかずを取るときにのみ使うもののようだ。

 先日、韓国映画を見ていたら、面白いせりふに出会った。牧師見習いの青年が、「神さま」をどう説明したらよいかを悩んでいるときに同じく見習い牧師の友人が語ったせりふである。「神さまはスプーンと同じだよ。なくてもご飯は食べられるだろう。箸や手を使えば食べられるだろう。だけどスプーンがあったほうがよいに決まっている。」 なるほど、そうなんだ。
  
 石焼ビビンバについては後日談がある。石焼ビビンバに使う、石の容器は日本で考案されたものであるという。日本で考案され、利用されるようになってから、韓国に持ち込まれたということを聞いた。


4.中国の箸の置き方

 中国料理では、丸いテーブルを数人が囲む。このときの箸の置き方が日本と異なる、と聞いた。日本では、手前に箸置きの上に左右に置く。ところが中国料理の場合には、箸の先をテーブルの中心に向けて縦に置く。箸の先を他人の方に向けるのは心理的抵抗がある。それで、日本で中華料理を食べるときは左右におくことになる。

 ところが、中国で中国料理を食べて驚いた。テーブルには中心から外に向けて僅かの傾斜があるのである。しかも箸が丸い。こうなったらマナー以前の問題である。箸は縦に置くしかない。手前に左右に置いたら、転がり落ちてしまう。納得である。