No.10 落花狼藉

No.10 落花狼

2006/4/3(月)


 我が家の薄墨の桜が散っている。朝からの強風に吹かれて半ばは散ってしまった。地面は散った花びらで覆われている。強風は地面の花びらも時折り巻き上げている。今年は久しぶりに枝いっぱい咲いて、近所の人たちも桜の存在に気付いてくれたようだ。

 昨日は花見をした。あいにくの雨で、その雨はときどき雷がとどろくとひとしきり激しく降った。花見弁当は部屋の中でいただき、いったん外に出て茶室でお茶をという花見であった。ただ残念ながらソメイヨシノはまだ開花したばかりであった。

 いつもは洋室で行っている句会を昨日は、茶室の別室で行った。詠んだ句は風流さにはほど遠い。

 「花盛り次から次へ舞い落ちて」「花見酒今年は友と酌み交わし」「満開の花も眠たげ春の宵」と、本来は、この雰囲気を期待した花見だったが、「二分咲きの花に滴る春の雨」となってしまった。三月の末には雪も降り、「名残雪散り敷く花も覆いけり」という状態だったからやむをえない。いくつかの句は、「花」も季語だとすると、季語重なりになっている。