No.01 奈良 東大寺南大門

No.01 奈良 東大寺南大門

 これから東大寺の参道に入ります。前のほうに大きな山門が見えますね。東大寺の南大門です。南の大きな門と書きます。東大寺の入り口です。この南大門が造られたのは鎌倉時代です。「いいくに造ると幕府建て」、知ってますね。鎌倉幕府ができたのが1192年です。そのころです。東大寺奈良時代にできました。大仏の完成は752年です。それなのに、この南大門が造られたのがずっと後の時代の鎌倉時代というのはおかしいとは思いませんか。その説明は大仏殿でします。

 ここには、二体の大きな仁王像が安置されています。体長は二つとも5m以上あります。上から見下ろしています。作者は、皆さん、よくご存知ですね。そう、運慶と快慶です。右側の口をあいているのが阿行像で快慶の作、左側の口を閉じているのが吽形像で運慶の作です。仏像は慈愛に満ちたやさしい顔つきのものが多いのですが、こんな恐い仏像もあるのですね。

 表面は木の地肌がむき出しになっていますが、かつては色彩が施されあでやかな姿をしていました。薬師寺の山門の仁王像は最近作られたものですから、色彩が施されています。薬師寺はもう行ってきましたか。これからという人は山門を通るときによく見てみてください。薬師寺は、ここからずっと西へ行った西の京といわれるところにありますね。

 鎧を着て、槍をもち、夜叉を踏んづけています。東大寺を守っているのです。体の表面には何本もの筋が見えます。いくつかの部材が組み合わされた跡です。平成5年に解体修理されましたが、なんと513もの部材で組み立てられていることがわかりました。寄木つくりという方法で作られています。寄木つくりは大きな木が必要でないばかりか、大勢の職人で分業することができます。この仁王像はなんと2ヶ月で完成されています。寄木造は平安時代の終わり、藤原時代から始まりました。有名なのは宇治の平等院阿弥陀仏像です。

 それではさらに奥に進みます。向かって右側の山が若草山です。この東大寺春日神社、興福寺はこの春日山のふもとの地を選んで造られています。鹿がよってきますので気をつけてください。