200-25-09

25-09 大仏

2006/2/24(金) 午前 6:32 --25 仏教と日本文化 歴史

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 仏像には標準の大きさがある。丈六(じょうろく)という。一丈六尺のことであるがメートルに直せば、約4.8mになる。お釈迦さまの身長は常人の倍あったということで一丈六尺という大きさにきまったようである。これは立像の場合で坐像の場合は、この半分の八尺(約2.4m)となる。
 
 この大きさをはるかにこえる仏像がある。大仏である。奈良の大仏の高さは16.2m。鎌倉の大仏の高さは11.35m。奈良の大仏には及ばない。富山県の高岡にも高岡大仏といわれる大仏がある。江戸時代につくられたものが災害にあい、今日のものは1933年に復興されたものである。高さは7.43m。地元では奈良・鎌倉の大仏とともに日本三大仏と称している。

 日本三大仏の三番目にどの大仏を持ってくるかについては定説はないようである。現在は残っていない幻の大仏がある。高さは6丈(約18m)の大仏であった。秀吉が京都の東山の方向寺に建てたものである。奈良の大仏を凌ぐ大きさである。
 http://homepage1.nifty.com/heiankyo/rekishi/reki29.html

 私の住んでいる岐阜市内にも大仏がある。江戸時代に作られたもので、かご細工に経文をはり、漆、金箔で仕上げられている。大仏で高さは、13.7m。金華山の麓の正法寺にある。大きさからいえば、日本の三大仏は、奈良、岐阜、鎌倉の大仏としたいところである。

 現代のものとしては、120mの高さを誇る仏像がある。茨城県牛久市にある牛久大仏といって世界一大きい青銅製の大仏としてギネスブックに登録されているそうである。

 釈迦は常人を超えた存在であった。そのことを仏像の大きさで現すのに常人の倍の大きさとされた。ところが、仏教が歴史的存在である釈迦への信仰から、その背後にあると思われる真理へ移ってゆくにしたがって、仏像の大きさも大きくなっていった。仏教の変化で言えば大乗仏教の登場が仏像を大きくしていった。弥勒菩薩バーミヤン)は大乗仏教の仏とは断言できないが、毘盧遮那仏(奈良)は明らかに大乗仏教の仏である。この段階では、もはや常人の大きさは問題とされていない。宇宙の広大さをいかに仏像で現すかに関心がゆくようになる。