デンマークのジャンテロウ 1

 

 2013年度の世界幸福度レポート(World Happiness Report)が、コロンビア大学地球研究所から発表されました。これによると、世界で最も幸福度の高い国はデンマークで、続く2~5位は順にノルウェー、スイス、オランダ、スウェーデンとなっています。

 この総合ランキングはで、アメリカは17位と、メキシコ(16位)のすぐ下に位置しています。その他の国々では、イギリスが22位、ロシアが68位に入ったほか、中国はかなり低位の93位、イラクは105位にランキングされています。アジアで一番ランキングが高いのはアラブ首長国連邦の14位。ほかにはシンガポールが30位、タイが36位、日本が43位などとなっています。

 デンマークが一位となっていることでその理由にあげられているのが、ジャンテロウ(The Jante Law)での存在です。デンマーク人の謙虚深さを形成してきたものとされています。その内容は次の通りです。

1. 自らを特別であると思うな
2. 私たちと同等の地位であると思うな
3. 私たちより賢いと思うな
4. 私たちよりも優れていると思い上がるな
5. 私たちよりも多くを知っていると思うな
6. 私たちよりも自らを重要であると思うな
7. 何かが得意であると思うな
8. 私たちを笑うな
9. 私たちの誰かがお前を気にかけていると思うな
10. 私たちに何かを教えることができると思うな)
11. 私たちがお前について知らないことがあると思うな)

 ジャンテロウは1933年に発表されたデンマークの小説に出てくる架空の村、ヤンテの法律です。小説の中の村の法律がデンマーク人の心に染み渡ってしまった、ということに当然ながら疑問と興味が出てきます。以下、この疑問を追ってみることにします。