23-03 伝記の資料一覧

23-03 伝記の資料一覧

2006/10/26(木)

  
◆『日本書紀』 
【成立】奈良・養老20(720)年
【編者】舎人親王 他
720年(養老4)成立 舎人親王編修
・太子のことを知る上での最古の根本資料
・太子没後100年目に撰述された本書においてすでに聖人化が明確に表れている。
  
◆『上宮聖徳法王帝説』 
【成立】飛鳥~平安 一部は『日本書紀』より古い7世紀末~8世紀初頭に成立か?
【著者】不明
・上宮一族の系譜、摂政としての業績、幼時の逸話、諸寺院の創建など関するいくつかの項目の寄せ集めより成る。項目によりその成立年代はばらばらで、最終的には平安時代に今の形にまとめられたと考えられる。その一番古い部分は、日本書紀よりも古い記録と思われるものや、日本書紀とは別の聖徳太子の伝記を掲げていたりする。俗に『帝説』と略すこともある。
・8世紀末までに大部分が成立。法隆寺僧侶によって太子伝を集成。第1級史料
・「天寿国繍帳」の全文を掲載
   
◆『上宮太子伝』 771年(宝亀4) 僧・教明著
 太子の前身とされる慧思の異形の伝記から伝える。『日本書紀』の記述の基づく太子の略伝
  
◆『上宮皇太子菩薩伝』 788年(延暦7)成立 僧・思託著
 執筆の目的は、太子の慧思後身説を説くことで、その後の太子信仰に及ぼした影響大。最澄の太子信仰は、この書の説を信じた為
  
◆『上宮聖徳太子伝補けつ記』 平安前期成立 作者未詳
 『調子麿家記』と『膳臣家記』を元に読み直したと巻頭に断り書きあり。太子の超常伝説を再編纂。
 
◆『聖徳太子伝暦』 917年(延喜17) 藤原兼輔
 太子の受胎時から上宮王家の滅亡を編年式に詳述した太子伝の決定版。後世に大きな影響を及ぼす。
 「聖徳太子絵伝」は本書を絵画化したもの。その後の僧侶による太子研究は本書を軸に書かれた物が大半を占める。

◆『聖徳太子伝私記』 1238年(嘉禎4) 僧・顕真著
 太子伝周辺の奇伝怪説を網羅。調子麿の子孫を自称した法隆寺の僧・顕真の著なので、太子の神格化が著しい。